【中間報告】がん患者の経済的負担の実態調査

現在実施中のがん患者さんの経済面の実態調査の回答者はもうすぐ100件になります。貴重な声、情報をありがとうございます!

回答はほとんどが選択ですが、経過を追っていく質問内容なので、1人1人の治療の経過や生活、お金の状況が表れています。

お金の悩みが個人の問題として片付けられがちな現状を変えるため、これまでにない「一般的な中間所得者層の就労世代のがん患者さんやご家族が抱える経済的な不安や負担」に焦点を当てた実態調査を実施中です。

中間報告となった理由と注意事項

当初は2/28まで実態調査を行った後に集計・解析をしてからのご報告を考えておりましたが、今回途中経過を報告することになりました。理由はこの2つです。

①より多くの方に知ってもらい、参加してもらう、問題意識を高めてもらうため
②質問37.「現在の高額療養費制度と引き上げについての思いを教えてください。」は今多くの方に知っていただく必要性を強く感じているため

調査設計をしました患者家計サポート協会の中でも議論を重ね、以下の方法で中間報告をすることになりました。

①公開可能なデータのみ抜粋しHPで公表

②影響の大きいデータとなり、協会の意図としない使われ方をされてしまうと患者さんに影響を及ぼすため、利用する場合には協会に「出典をつけること」「用途や表現内容を連絡」の上、使用していただく。(実態調査の目的をご確認の上、使用のご連絡をお願いいたします。)

③さらに詳細な収入の金額ベースでの変化や高額療養費との関係についても調査していますので、こちらは集計・解析して最終的な結果と共にご報告する予定です。

中間報告の内容

患者さんの中でも治療や家計の状況が違うので大変さは異なりますが、医療費負担、収入の変化がどれだけ大変な状況なのか、そして今問題となっている高額療養費の自己負担額引き上げによって起こることを、当事者の数字と声を集約した結果としてご覧いただければと思います。

2/26(水)16時現在の高額療養費に対する声をアップしました。

2/27(木)12時現在の高額療養費に対する声をアップしました。

2/28(金)8時現在の高額療養費に対する声をアップしました。
【本日20時まで】 昨夜、高額療養費の引き上げが一時凍結する可能性というニュースがありました。
今までご尽力された皆さんのご苦労は計り知れません。感謝申し上げます。 本日の国会の内容を注視していきたいと思います。

また、今回一時凍結されたとしても、これから大事なのは当事者の声や詳細なデータに基づく議論だと考えています。
制度上持続可能で支払い負担能力に合った高額療養費の自己負担額の設定となるよう、強く願います。

そのために、今回実施している「がん患者の経済的負担の実態調査」はとても重要な情報になり得ると考えています。
2/19(水)から始めた調査も275名の方にご協力いただけています。 調査の目的は当初と変わりません。
【がん診断時と治療中の収入の変化が、患者さんおよびご家族の医療費負担や日常生活に及ぼす影響を調査する。】
本日(2/28)20時まで回答を受け付けていますので、がん患者さんやご家族の方々、ぜひ、回答のご協力をお願いいたします。
本日8時までの高額療養費に対する皆さんの声はこちらに更新しています。

いくつかの声と収入の変化や医療費による生活変化のデータ(画像)をご紹介しますので、同じ思いを感じている患者さんやご家族のご参加を引き続きお待ちしています。(2/28まで)

【声の一部をご紹介】(全員の声は中間報告書ダウンロードでご覧いただけます)

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「ステージⅣなので治療法が尽きるまでエンドレス治療です。延命しながら新薬を待ちたいですが引き上げが行われた場合は難しいかもしれません。配偶者の収入と傷病手当があるので今すぐに困窮する事は無いですが、仮に病態が安定し長く延命出来そうとなっても体調よりも先に金銭面で限界が来そうです。国は治療抑制効果も見込んでたとの事ですので、完治根治が難しい私のような人は真っ先に切り捨て対象かと思うと絶望しかありません」

「毎月の抗がん剤は3割負担でも月15万以上かかり、また治療は抗がん剤だけでなく高価な吐き気止め、輸血、白血球の注射など数えたらきりがありません。しかしどれも欠かす事が出来ず高額療養費の上限が上がるとこれらを我慢して副作用と闘わなければならないかもしれません。命と生活を守る為にもこれ以上の上げに反対します。」

「収入が2/3程度まで減りました。
10、11( 手術)、12月で70万の医療費がかかりましたが高額療養は一度も該当しませんでした。治療期間中は病前と同じ収入は難しく、治療開始時の一番検査や処置が多い時期は前年度の収入での区分です。上限額引き上げになれば最悪の場合 月40万x12ヶ月など治療費として払う状態になります。総額での上限額など望みます」

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「高額な治療費が上がると治療を断念せざるを得ません!」という患者さんの声と、「収入があるなら大丈夫」という関心の薄い層との認識のズレを考えるため、現在の医療費、経済面の現状を調査することなりました。

経済面の状況は個人差が大きいので、どうしても質問内容が複雑になってしまいますが、高額療養費の引き上げ問題を左右する大事な情報です。

ご協力いただきました皆さま、本当にありがとうございます!
2/28まで実施中ですので、多くの患者さんとご家族の声をお待ちしています!

【無料】がん治療が始まるときに考えておきたい困らないための対策

患者家計サポート協会では、専門の相談員によるがんと診断された方のお金の無料相談を行っています。
ご家族のみ、医療従事者もOKです。
「がん治療が始まるときに考えておきたい困らないための対策」を一緒に考えています。