がん治療の支払いが心配…病院での医療費を最小限にできる方法
がんの疑いで病院に行き検査を行ったところ、がんが見つかり、1週間後に手術や抗がん剤治療が始まるという方は多く、突然の高額な医療費に驚かれることも少なくありません。高額な医療費がかかっても高額療養費制度があるので大丈夫と思われがちなのですが、高額療養費というのは立替払いの制度です。
まず、窓口で医療費の3割に当たる額(医療費が100万円で69歳以下の場合は30万円)を支払い、その後申請を行い、2~3か月後にやっと払い戻しを受られるという流れです。しかし、払い戻されるとはいえ、30万円という高額な支払いは不安ですよね。
そんな時に役立つのが、「限度額適用認定証」または「マイナ保険証」です。
ここからは、主に69歳以下の方を例にご説明します。70歳以上の方は内容が異なる場合がありますので、健康保険証に書かれている健康保険にご確認ください。
限度額適用認定証とは?
高額な治療が必要と分かった時点で、あらかじめ「限度額適用認定証」の手続きをしておくと、窓口での支払いが限度額までに抑えられます。例えば、69歳以下で一般的な収入※の方では8万円台の支払いで済みます。(食事代などは別途必要です)。
※年収約370万円~約770万円
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限度額適用認定証にするメリットは?
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3割負担でも高額な場合でも、立替払いすることなく一定額の限度額までに抑えることができます。
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限度額適用認定証はどのように申請するのですか?
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申請は、健康保険組合や市区町村の窓口といった、健康保険証に書かれている健康保険で行います。必要なものは健康保険証とマイナンバーカード(もしくは写真付きで一応証明書)です。窓口に行くのが難しい場合、郵送や一部の健康保険組合ではオンラインでの申請も可能です。
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限度額適用認定証を取得するタイミングはいつが良いですか?
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治療が始まる前、もしくは治療の計画が決まった段階で取得すると良いでしょう。 限度額適用認定証は申請してから2~3日で発行されますが、郵送の場合はさらに日数がかかりますということもありますので、早めに準備することをおすすめします。
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限度額適用認定証が間に合わない場合はどうしたら良いですか?
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一旦は病院などの窓口で3割負担を支払い、高額療養費の申請を行い、払い戻しを受けるという流れになります。
詳しくはこちらを合わせてお読みください。
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年収800万円です。私も医療費が8万円台になりますか?
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医療費の上限額は収入によって変わります。
詳しくは下記表でご確認ください。
マイナンバーカードでも限度額適用認定証の役割があります
マイナンバーカードには健康保険証の機能もあり、これを使って病院での手続きを簡単にすることができます。マイナンバーカードを提示すれば、「限度額適用認定証」が無くても限度額を超える支払いが免除されます。
詳細は、マイナンバーカードの健康保険証利用について(厚生労働省)をご覧ください。
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マイナンバーカードを健康保険証として利用するだけで支払いが減額されますか?
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マイナンバーカードを健康保険証として利用するために、利用登録を行います。
登録は以下の方法で行うことができます。- 医療機関・薬局の受付(カードリーダー)で行う
- 「マイナポータル」から行う
- セブン銀行ATMから行う
医療機関での利用:
医療機関や薬局でマイナンバーカードを提示します。顔認証付きカードリーダーにカードをかざし、本人確認を行います。
マイナンバーカードをお持ちでない方へ
まず、マイナンバーカードを取得します。申請はオンライン、郵送、または市区町村の窓口で行えます。
がん治療の治療費の窓口での支払いを最小限にするために
「限度額適用認定適応証」や「マイナ保険証」(保険証として登録したマイナンバーカード)は、病院の窓口で医療費を支払う際に提示することで、治療費の支払いが軽減される便利な方法です。
これにより、安心して治療を受けることができます。
マイナンバーカードを保険証として使用したいと思われる方は、紐づけができているか、もう一度確認してみてください。
- 手続きが良くわからない
- 自分は医療費がいくらになるのか、わからない
- 高額な医療費が心配
という方は、私たち患者家計サポート協会へお気軽にご相談ください。
次回は、高額療養費が長期に渡る場合の「知っておきたいお得な情報」について解説します。
執筆者 AFP認定者 倍本 恵美子
監修 CFP認定者 黒田 ちはる
【無料】がん治療が始まるときに考えておきたい困らないための対策
ご家族のみ、医療従事者もOKです。
「がん治療が始まるときに考えておきたい困らないための対策」を一緒に考えています。