がん患者の家計を守るための5つの保険特約活用法

生命保険やがん保険の保障内容は、治療費が高額になりがちながん患者さんにとって、大きな問題です。それは、家計に直結する可能性も十分にあるからです。

保険証券などを見れば、入院や手術の時の給付金のほか、診断一時金がいくらになるかを確認できますが、さらにチェックして欲しい特約があります。

今回は、見逃せない5つの特約についてお伝えします。

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1.保険料払込免除特約

「保険料払込免除特約」とは、がんなど所定の病気と診断されると、それ以降の保険料支払いが免除される特約です。

保険料を払わなくても、保障はそのまま継続されるため、治療に専念しながら家計の負担を減らせます。

契約時には意識していなくても、実際にがんと診断された時には「この特約があって助かった」と思える大切な備えです。

『所定の状態』の定義や免除開始の時期、対象となる契約範囲は保険商品で異なります。診断書の要件や免除後の保障継続条件も約款(やっかん※)で確認しましょう。

※約款:険会社やサービス提供者があらかじめ決めている「契約のルール集」です。
たとえば生命保険の場合、「どんなときに保険金が支払われるか」「どんな場合は支払われないか(免責事項)」「保険料の支払い方法」「特約の内容」などが細かく書かれています。

2.セカンドオピニオン特約

がん治療は選択肢が多く、医師の意見を聞いた後も「違う治療法があるのでは・・・」と思うこともあるかもしれません。

そんな時には、セカンドオピニオンを受けるのもいいでしょう。

セカンドオピニオンとは、主治医とは別の医師の意見を聞くものですが、公的医療保険の対象外で、数万円ほどかかることも。

セカンドオピニオン特約は、セカンドオピニオンの費用をサポートしてくれる特約です。

自分の納得できる治療方針を選ぶための後押しとなり、迷いや不安を減らすことにつながります。選択の幅を広げてくれる心強い保障です。

対象費用・回数や提携医療機関の有無は保険商品ごとに異なるため、保険証券と約款で上限額・対象費用・利用手順を確認しましょう。

保険商品によっては特約ではなく付帯サービスとして提供される場合があります。

3.先進医療特約

がんの治療には、公的医療保険の対象外の治療もあります。

たとえば、陽子線治療や重粒子線治療などですが、治療費は数百万円かかることも。

しかし、先進医療特約があれば、自己負担を心配せずに治療を受けることが可能です。

先進医療を受けられる医療機関は限られています。

まずは、治療の選択肢に入るのか確認するといいでしょう。

技術料以外にも、入院費・食事代・交通費までカバーされるのか、確認しておくと安心ですね。

4.指定代理請求人特約

治療中は、体力や判断力の低下で自分が保険金を請求できないこともあります。

指定代理請求人特約は、あらかじめ決めた家族などが、代わりに保険金を請求できる特約です。

いざという時に、給付金をスムーズに受け取ることができ、治療や生活の資金が途切れないように守ってくれる、見逃せない安心の特約です。

代理請求人の変更される場合には、再度手続きが必要です。

5.リビングニーズ特約

リビングニーズ特約とは、余命6カ月以内と判断された場合、死亡保険金の一部または全部を生前に受け取れる特約です。

残された時間を、「できるかぎり治療する」、「家族と過ごす」など、自分らしい選択のために使うことができます。

厳しい状況であっても、希望を持った生活設計を可能にする、選択肢を広げる特約です。

請求には医師の診断書・所定の書類が必要です。受取方法と税務取扱いは状況で異なるため、保険会社やFPにに確認しましょう。

保険特約は「自分で確認・活用」が安心の第一歩

特約の詳細は、保険会社や保険商品、契約時期によっても異なります。

確実なのは、保険会社に聞いてみること。

保険の特約をチェックして、使いこなしましょう。

保険特約の内容は複雑で、医療費や生活費の不安もつきものです。
「自分の場合はどうなるの?」「今後の家計が心配…」と感じたときは、ひとりで悩まず、専門家に相談してみませんか。
患者支援FP(ファイナンシャル・プランナー)による、医療費や生活費に関する無料相談を受け付けています。
がん治療と生活の両立に向けて、あなたの状況に合わせたアドバイスやサポートを受けることができます。
保険の特約の活用方法や、今後の家計設計についても、ぜひお気軽にご相談ください。
あなたとご家族が安心して治療に専念できるよう、専門家が一緒に考えます。

執筆者:松川 紀代(AFP、一般社団法人患者家計サポート協会)

監修者:黒田 ちはる(CFP、一般社団法人患者家計サポート協会)

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