【中級編】患者支援のFP育成研修2日目(アンケートあり)
11/12(日)、26日(日)に行った支援者向け研修【中級編】の2日目を振り返ります。
2日目はがん患者さんの相談実務に必要な家計に関する知識や事例検討を5時間行いました。
受講者は1日目に引き続き6名(2日間でセットです)で、看護師、保険代理店といったAFP、CFP®認定者が全国からオンラインで参加しました。
健康な方との家計相談の違いや、講師が相談時にどのような質問を受け、返答しているのか、また情報を使いながら相談者に説明しているのかといった実践的な内容や、相談における注意点についてお伝えしました。
受講者の感想(一部抜粋)
印象に残った内容
- 家計全般でのお話に合った、緩和ケアの雑誌に取り上げられたという「ファイナンシャルプランニングはお金の面のACPではないか」という言葉が印象的でした。医療の現場ではよく耳にしますが、お金の専門家であるFPが本人と一緒に考える必要があるということを、医師から発信されていることに、医療業界も動き出している感じがしました。
- 住宅ローンについて、大変印象に残りました。何とかして調整して、治療後も住み続けていただきたいと思いますが、現実は沢山の問題が潜んでおり、悲しい選択をすることも家族にとっては、良い選択である事も知りました。
- 医療費だけではなく、住宅ローンをはじめ、各種負債にも目を向けて相談に乗ってあげなくてはならない点
本日の内容を今後どう活用していきたいか
- 本業が保険業なので、がんに関する保障のご提案の際に今日学んだ内容を活かしてお客様へご提案していきたいと思いました。
- 相談業務の経験がまだないので、具体的にどういう相談があり、それに対して提案していく流れがイメージできました。FPとして相談業務のスキルは必要不可欠だと思うので、病院や地域でひとりでも多くの方の問題解決につながる関わり方ができたらと思います。
- 相談者の思いを聞いた上で、選択肢をなるべく沢山持って、相談者がこれなら自分でできそうと感じてもらえることに役立てていきたいと思います。
- 学んだことを踏まえて、患者に適切に選択肢の提案とFPの活動について知って貰いたい。
- 実際の患者さんに相談にのる際、医療的なことは言動に気を付けること、遺族年金や相続問題は慎重に扱うことはとても勉強になりました。
- ライフプランを作成する際、最悪の状況をどう乗り越えるかお客様と共有していきたい
その他感想など
- 印象に残った内容でも感想を書かせていただきましたが、一般的に働き盛り・子育て世代に多いとされる家計状態の世帯において病気が原因で生活が一変してしまうことの恐ろしさを改めて思い知らされた研修でした。
- 家計相談の現場では、がんに罹患してしまい家計状況が一変してしまった中で今後どうしていくのか、最善の方法を考えていくようになるのかと思いますが同時に生命保険業に携わる者としては、長期に渡る就業不能状態によって生じてくる問題も踏まえたご提案、保障を持っていただくことの必要性を伝えていけたらと思いました。
- 制度の話だけではなく、具体例も多く、また参加者の方々の現場の話も伺えたので、多角的に捉えることができたように感じました。周りにFP仲間もいないので、情報共有の場としてもありがたいセミナーでした。ありがとうございました。
- 2日間ありがとうございました。辛い話をしないといけない時は、FPにとってもつらいこともあるかと思います。患者さんご家族の人生が変わるかもしれないというのは、責任重大ですが、困った時に少しでも役にたつ相談者になっていければと思います。
- 学ぶほど、安易な発言はできないこととかなりの知識量も必要だと感じた。
- 中級編を2日受講してみて大変勉強になりました。実際にがん患者さんを目の前にして相談を受けた時には上辺だけの知識では的確な対応はできないだろうなと感じています。
講師の振り返り
1日目の制度の内容も、2日目の家計の内容も普段FPの資格勉強では出てこない内容なので、事前学習をされていても大変だったかと思います。
しかしながら、例えば住宅ローンの相談でも基本の住宅ローンの相談実務経験が無いと患者さん向けのプラスαの相談は難しいので、受講者の中でもFPとしての相談実務経験(ボランティア含め)があるのとないのでは感じたことも大きく違うのではと思いました。
税金問題や借金問題、相続なども絡むことがあるため、FPとしての倫理観を問う問題も多く行いました。
患者さんの生命、生き方が関わってくるからこそ、FPとしての専門性や倫理観がより一層問われてくるためです。
今回受講された皆さんは、事例検討でも活発に意見交換されており、また同じチームの皆さんの意見も良く伺っている姿が印象的でした。
日頃より、患者さんや顧客のお話をよく伺い、悩みや希望を引き出す術が身についているのだなと感じました。患者支援のFPにおいても、どれだけ患者さんやご家族の悩みや希望を引き出せるのかによってご案内できるアドバイスが大きく変わってきますが、心の距離というか、本音を引き出すことが一番の大変さであり、重要な部分でもありますので、皆さんの意見交換の様子はそういった意味でも素晴らしかったと思います。
今回中級編を受けられた方の中で、希望者は上級編の研修に進みます。
中級編で学んだ内容を、相談の実践で活かしていく研修であり、修了後審査を経て一般社団法人患者家計サポート協会の相談員となります。(相談員募集のページ)
講師とマンツーマンで振り返りながら行っていく予定のため、人数を制限して行う予定です。
第1期は3月に予定していますが、もう希望者の上限に達しているため、これからの希望者は7月以降の第2期を予定しています。
今回のような【中級編】患者支援のFP育成研修は、次回2月を予定しています。
残1名です。次回は4・5月頃の予定となります。
ご興味のある方のご参加を心よりお待ちしております。
全国の医療従事者、FP、保険代理店、士業など、患者さんの支援に携わる方を対象に研修を行っています。